年末調整に必要な書類とその概要について
年末調整とは
年末調整とは、企業において、従業員が納めるべき1年間の所得税と、毎月の給与や賞与から控除した所得税額を比較し、所得税額の過不足を調整する手続きのことをいいます。
基本的内容については、前回の記事でご紹介しておりますのでぜひご覧ください。
今回の記事では、年末調整に必要な書類や具体的な手順についてご紹介していきます。
年末調整に関わる書類
年末調整の必要書類には、従業員に記入してもらう書類と従業員に準備してもらう書類の2種類があります、
従業員から記入してもらう書類
- 扶養控除等(異動)申告書
- 配偶者控除等申告書
- 保険料控除申告書
上記の書類は、事業主が各従業員に配布のうえ、記入して提出してもらう書類になります。
従業員に準備してもらう書類
- 生命保険料控除証明書
- 地震保険料控除証明書
- 国民年金保険料控除証明書
- 住宅借入金等特別控除申告書+住宅借入金年末残高等証明書
上記が従業員に準備してもらう、主な書類です。全てを用意してもらう必要はなく、該当する人が該当の書類を準備する形になります。
そして、従業員に提出してもらった書類をもとにして、会社は以下の書類を作成します。
- 源泉徴収票
- 給与支払報告書
作成したこれらの書類は、従業員だけでなく税務署や市区町村に提出を行います。
書類の概要
年末調整に関わる各書類についてご説明していきます。
扶養控除等(異動)申告書
扶養控除等(異動)申告書は、毎年12月31日時点で従業員が誰を扶養しているかを記入してもらう書類です。
この書類は必ず全員に提出してもらう書類となります。
配偶者控除等申告書
配偶者控除等申告書は、配偶者控除や配偶者特別控除を受けるための書類です。配偶者の所得が38万円以下の場合は配偶者控除が、38万円超123万円以下の場合は配偶者特別控除を受けることができます。
配偶者控除、配偶者特別控除については過去にご紹介しておりますのでよろしければご覧ください。
保険料控除申告書
保険料控除申告書は、支払っている保険料の額に応じて控除を受けるための申告書です。
保険料控除申告書は、生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、国民年金保険料控除証明書とともに提出してもらう書類になります。
源泉徴収票
源泉徴収票は、役員や従業員などに1年間支払った金額を個人ごとにまとめた書類です。
給与等が年間500万円を超えた従業員、給与等が年間150万円を超えた役員、給与等が年間250万円を超えた退職者、給与等が年間2,000万円を超えており確定申告をする人の源泉徴収票は税務署へ提出する必要があります。
税務署への提出期限は1月31日です。
給与支払報告書
給与支払報告書は、給料や賞与などの1年間の金額や社会保険料控除などの控除額が記載されている書類です。
従業員の1月1日現在の市区町村に2枚ずつ提出します。
給与収入が2,000万円を超える方は年末調整の対象外となりますが、給与支払報告書の提出は必要です。
市区町村への提出期限は1月31日です。
まとめ
- 年末調整には、従業員に記入してもらう書類と準備してもらう書類がある
- 従業員から記入してもらった書類をもとに、源泉徴収票や給与支払報告書が作られる
- 各自必要書類が異なるので注意が必要
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