配偶者特別控除とは?配偶者控除との違いを知っておきましょう
配偶者特別控除とは
配偶者特別控除とは、配偶者の所得が配偶者控除の適用条件を超えた場合に、税負担が急増することを避けるための緩和措置として作られた制度です。
配偶者控除では、配偶者の年間所得金額が38万円以下(令和2年以降は48万円以下)になっている必要がありました。配偶者特別控除では、38万円(令和2年以降は48万円)を超えた場合でも、123万円(令和2年以降は133万円)までは段階的に所得控除を受けることができます。
配偶者特別控除の適用条件
配偶者特別控除の適用条件は、配偶者控除の適用条件と同じである部分も多いです。
- 配偶者がいること
- 配偶者と生計を一にしていること
- 配偶者が、青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受けていない、または、白色申告者の事業専従者ではないこと
- 本人の合計所得金額が1,000万円以下であること
- 配偶者の年間所得金額が38万円超123万円以下(令和2年以降は48万円超133万円以下)であること
1〜4は、配偶者控除の条件と重なりますので、『配偶者控除を受けるために5つの条件を押さえておきましょう』の記事にて、詳しくご確認ください。
今回は、配偶者の年間所得と控除金額の関係性についてご紹介していきます。
配偶者特別控除の控除額
配偶者特別控除の控除額は、配偶者の合計所得金額と、控除を受ける本人の合計所得金額によって変わってきます。
配偶者の合計所得金額に関しては、38万円超から123万円以下までの9段階、控除を受ける本人の合計所得金額に関しては、「900万円以下」「900万円超950万円以下」「950万円超1,000万円以下」の3つの段階が設けられています。
それぞれの場合において、いくら控除されるのか表で確認していきましょう。
表の横軸が、配偶者の合計所得額、縦軸が控除を受ける本人の合計所得です。それぞれが交わっているところの金額が、配偶者特別控除の控除額となっています。
(令和1年まで) | 900万円以下 | 900万円超 950万円以下 | 950万円超 1,000万円以下 |
---|---|---|---|
38万円超 85万円以下 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
85万円超 90万円以下 | 36万円 | 24万円 | 12万円 |
90万円超 95万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 |
95万円超 100万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 |
100万円超 105万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 |
105万円超 110万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 |
110万円超 115万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 |
115万円超 120万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 |
120万円超 123万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 |
令和2年以降は、以下のようになります。
(令和2年以降) | 900万円以下 | 900万円超 950万円以下 | 950万円超 1,000万円以下 |
---|---|---|---|
48万円超 95万円以下 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
95万円超 100万円以下 | 36万円 | 24万円 | 12万円 |
100万円超 105万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 |
105万円超 110万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 |
110万円超 115万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 |
115万円超 120万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 |
120万円超 125万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 |
125万円超 130万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 |
130万円超 123万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 |
上記の表でご確認いただけるように、配偶者特別控除は、最大で38万円の控除を受けられる制度となっています。配偶者の収入が増えるにつれて、控除額は少なくなっていきます。
配偶者特別控除の手続き方法
配偶者特別控除の手続き方法は、配偶者控除と変わらず、年末調整か確定申告の際に行うことができます。
年末調整に間に合わなかった場合も、配偶者控除と同じく、翌年1月末日まで可能な年末再調整処理を行うか、3月15日までの確定申告で手続きを行う形となっています。
まとめ
- 配偶者の年間所得が38万円を超えてしまっても、配偶者特別控除が受けられる
- 控除される金額は、配偶者と本人の合計所得金額によって変化する
- 手続きは、年末調整か確定申告の際に行う
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