労災保険の概要と加入条件について
労災保険とは
労災保険とは、労働者が業務中または通勤時の事故や病気によって、負傷または亡くなった時に、被災労働者や遺族を保護することを目的に一定の給付を行う保険のことをいいます。
労災保険の種類
労災保険には、療養給付、休業給付、障害給付、遺族給付、傷病年金、介護給付の6つがあります。
療養給付
療養給付は、労働者が労働災害により傷病を負った時に、原則として自己負担なしで治療を受けられる制度です。治療費、入院費、看護料などの通常療養に必要なものはすべて含まれます。
休業給付
労働災害に遭い、療養のための休業で賃金を受け取れない場合には、休業4日目から休業1日につき、給付基礎日額の60%相当の支給を受け取ることができます。さらに特別支援金として、給付基礎日額の20%が支給されるので、合計80%の収入が保障されます。
障害給付
障害給付とは、障害年金と障害一時金からなる給付金です。労働災害によって重病が治癒した後に後遺症が生じた場合、障害等級に応じて年金または一時金の支給を受けられる制度です。障害等級に応じて支給法が異なり、1〜7級の時は障害年金として、8〜14級の時は障害一時金として支給されます。
傷病年金
労働災害により傷病を負い、治療開始後1年6ヶ月を経過しても治癒しない場合には、等級に応じて傷病年金が支給されます。休業給付を受けている方が1年6ヶ月経過した際に、傷病等級1〜3級に該当する時は、休業給付から傷病年金に切り替わります。等級の認定がない時には、休業給付が引き続き支給されます。
介護給付
傷病年金または障害年金受給権を有する労働者が、介護を受けている場合には介護給付が支給されます。介護給付は、通常介護または随時介護を受けていることが支給の要件となります。
労災保険への加入
会社は一人でも労働者を雇用した時点で、労災保険の加入義務が生じます。
加入は強制加入であるため、加入手続きを怠った場合には、罰則を受けることがあります。
労災保険料は全額事業主が負担します。給与明細を確認しても労災保険の加入の有無はわかりませんので、確認したい場合には、厚生労働省のサイトから確認するようにしましょう。
万が一、会社が労災保険に加入していなかった場合には、事業所を管轄する労働基準監督署に相談しましょう。
まとめ
- 労災保険とは、労働者が業務中または通勤時の事故や病気によって、負傷または亡くなった時に、被災労働者や遺族を保護することを目的に一定の給付を行う保険
- 労災保険は、6種類ある
- 一人でも労働者を雇用した時点で、労災保険への加入義務が生じる
コラムときどき雑記Column and Blog
寄付金と類似金の定義について
寄付金の定義 寄付金とは、寄付をする側に任意性があり、直接的な見返りなく提供された金銭のことです。見舞金や拠出金も寄付金に含まれます。 寄付金に該当しないもの(類似金)の定義 寄付行為に類似している、或いは寄付金名義の支 […]
法人への遺産相続について
遺産を法人へ相続させる場合 通常の遺産相続の場合、法定相続人である親族などが対象になります。では、法人の場合はどういった違いがあるのでしょうか?法人は法律上、相続権を持っていないため、遺産相続の際には、贈与という形をとる […]
印紙税について
印紙税とは 印紙税とは、契約書や領収書などを作成した際に納付しなければならない税金のことです。 印紙税は、印紙税法によって「課税文章」に定められている文章を作成した際に納付する必要があります。ただ、「課税文章」に該当して […]