販売奨励金の処理における注意点について

販売奨励金とは
販売奨励金とは、自社の商品をより販売してもらうために、販売業者に対して支払うお金のことです。
リベートやインセンティブと呼ばれることもあります。
販売奨励金と消費税
販売奨励金についての消費税の取り扱いについては、消費税法基本通達14−1−2に以下のように記載されています。
事業者が販売促進の目的で販売奨励金等の対象とされる課税資産の販売数量、販売高等に応じて取引先(課税資産の販売の直接の相手方としての卸売業者等のほかその販売先である小売業者等の取引関係者を含む。)に対して金銭により支払う販売奨励金等は、売上げに係る対価の返還等に該当する
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/14/01/01.htm
消費税法上、販売奨励金は課税売上から控除される取り扱いとなります。
販売奨励金が、どの商品をどれだけ販売すればいくら払うか取り決められている場合、軽減税率が適用される商品には8%、そうでない商品には10%の税率が適用されます。
また、消費者に直接キャッシュバックを行った場合も、売上に係る対価の返還等の取引に該当する内容であれば、販売奨励金として扱うことが認められています。
販売奨励金として認められないケース
販売奨励金は先にも紹介したように、販売数量や販売高等との対応関係が認められるものでなければなりません。
ですので、それ以外の場合では販売奨励金として認められず、課税売上からの控除ができなくなります。
販売を委託している販売業者の拡販のために必要な経費を補填する場合などは、販売奨励金としての処理ではなく、販売促進費などで処理する必要があるでしょう。
また、交際費として処理すべきか迷う内容もあるかと思いますが、租税特別措置法関係通達61の4(1)−3では以下のように定められています。
法人がその得意先である事業者に対し、売上高若しくは売掛金の回収高に比例して、又は売上高の一定額ごとに金銭で支出する売上割戻しの費用及びこれらの基準のほかに得意先の営業地域の特殊事情、協力度合い等を勘案して金銭で支出する費用は、交際費等に該当しないものとする
ですので、売上割戻しに該当するような販売奨励金は
販売奨励金としての取引でも、売上に係る対価の返還等に該当しない場合には、損金に該当する場合があります。販売代理店の従業員の健康診断費用を負担した場合などが損金として処理するケースです。
販売奨励金の処理については煩雑な部分が多いため、不安がある場合には専門家に相談するようにしましょう。
まとめ
- 販売奨励金とは、自社の商品をより販売してもらうために、販売業者に対して支払うお金のこと
- 消費税法上、販売奨励金は課税売上から控除される
- 内容によっては販売奨励金として認められないものもある
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