法人住民税の概要と算出方法について
法人住民税とは
法人住民税とは、法人が地方公共団体に支払う税金で、本店や支店のある都道府県や市区町村に納める税金です。
法人も個人と同様に各都道府県や市区町村の公共サービスを享受しているという観点から各自治体への納税義務を負っています。法人住民税は、各地方自治体に納めるため地方税という扱いになります。
法人住民税の算出方法
法人住民税は、法人税割と均等割から構成され、その合計額から算出します。
法人住民税=法人税割+均等割
法人税割と均等割について見ていきましょう。
法人税割
法人税割は、法人税の金額をもとにして、法人の規模によって定められている税率を掛けて計算します。
税率は、各自治体ごとに異なります。一定の基準以上の法人には超過税率を適用し、それ以外の法人には標準税率を適用する自治体が多いです。
令和元年10月1日以降に開始した事業年度の標準税率は以下のとおりです。
標準税率(都道府県民税) | 標準税率(市町村民税) |
---|---|
1.0 | 6.0 |
表の通り、都道府県民税と市町村民税の2つの区分があり、それぞれ異なる税率が設定されています。
法人税割は、法人税の金額に税率を掛けて計算するため、赤字の事業年度には法人税割は0円となります。
均等割
均等割は、法人の資本金や従業員数に応じて納税額が決定されます。
資本金に関しては、1,000万円以下、1,000万円超〜1億円以下、1億円超〜10億円以下、10億円超〜50億円以下、50億円超の5つの区分に分けられています。
従業員数に関しては、50人以下と50人超で金額が異なります。
主たる事業所等が所属する特別区では、都道府県民税と市町村税を納めますが、従たる事業所等が所属する特別区の場合は都道府県民税は納めなくても大丈夫です。
例えば、資本金が500万円で従業員が10人の会社の場合、都道府県民税相当が20,000円、市町村税相当が50,000円の合計70,000円が均等割の金額になります。
それぞれの区分ごとの均等割の金額については、「均等割額の計算に関する明細書」をご確認ください。
ご確認いただくと分かる通り、均等割は資本金額や従業員の数が多い企業ほど金額が高くなっていきます。
また、法人税割とは異なり、赤字の事業年度においても均等割は発生します。
法人住民税
ここまでに確認してきた法人税割と均等割の金額を合計することで、法人住民税の金額を求めることができます。
計算のためには、法人税額、各地方自治体の法人税割の税率などの情報が必要ですので、事前に準備しておきましょう。
まとめ
- 法人住民税は、法人が地方公共団体に支払う地方税
- 法人住民税は、法人税割と均等割からなる
- 赤字の事業年度でも均等割は発生する
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