一時所得と雑所得の概要について

一時所得とは
一時所得とは、臨時に入る一時的な所得のことです。
競馬の払戻金、懸賞金、保険料を払った保険の満期金などが一時所得に該当します。
雑所得とは
雑所得とは、他の所得に分類することのできないすべての所得のことです。
講演料や原稿料などのうち事業的規模ではない収入や、公的年金、FXや仮想通貨などが雑所得に該当します。
一時所得の概要
一時所得は、10種類の「所得」の区分の中のひとつです。
クイズの商品や競馬の払戻金、保険の満期金などが該当しますが、以下の条件を満たしている必要があります。
- 一時的な所得であること
- 営利を目的とした継続的な所得ではないこと
- 労働や役務の対価ではないこと
- 譲渡による対価ではないこと
一時所得として認められるには、上記の条件すべてを満たしている必要があります。
そして、一時所得に該当する収入には以下のものがあります。
- 馬券や車券の払戻金
- 法人から贈与される金品
- 懸賞金、クイズの賞金
- 保険の満期金
- 遺失物を拾った人が受け取る謝礼
- 借家人が立ち退いた際にもらう立退料
これらが一時所得に該当します。
ただし、受け取り方などによっては一時所得ではなく、雑所得に該当する場合があります。
例えば過去には、競馬の馬券の払戻金であっても、営利を目的として継続的に馬券を購入している場合には、一時所得ではなく雑所得として認めるという判決もくだされています。
また、一時所得は他の所得と損益通算を行うことができません。
ですので、一時所得で発生した赤字を他の所得の黒字で相殺することはできません。ただし、一時所得内では損益通算を行うことが可能です。
一時所得の課税対象額の計算方法は以下のとおりです。
{(一時所得)─(一時所得を得るために支払った金額)─50万円}×1/2
計算式の中の50万円は、特別控除額です。
一時所得と雑所得の区分
雑所得は、税制上で「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得以外の所得である」という風に定められています。これは、一時所得と同じ内容のため、混同して捉えられることがあります。
代表的な雑所得は以下のものになります。
- 講演料、原稿料、著作権使用料
- 公的年金、個人年金
- 友人などへの貸付利子
- 株主優待券
- 金融商品先物取引による所得
上記のものが、雑所得に該当します。
雑所得は、一時所得とは異なり、労働や役務による対価も含まれています。
また、一時所得である保険の満期金も、年金として受け取る場合には雑所得に該当するようになります。
受け取り方法などによって、区分は異なってきますので、しっかりと確認を行うようにしましょう。
まとめ
- 一時所得とは、労働を伴わず、営利を目的としていない一時的な収入
- 雑所得とは、他の所得に区分されないすべての所得
- 一時所得と雑所得は、区分が難しいところもあるため注意が必要
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