「法人保険」のメリット・デメリットについて

「法人保険」とは
タイトルにも「法人保険」という言葉を使用していますが、実際には「法人保険」という商品は存在しません。
契約者が法人となっている保険が、いわゆる「法人保険」と呼ばれています。
「法人保険」は、基本的には一般向けの保険と仕組みは変わりません。
経営者に万が一があった場合に備えて、法人が死亡保険金を受け取り、その後の経営資金に充てる方法が一般的です。
「法人保険」の概略
「法人保険」には、以下の5つの種類があります。
- 定期保険
- 養老保険
- 傷病保険
- 終身保険
- 損害保険
定期保険
定期保険は、ある期間中に被保険者が死亡した場合に死亡保険金が受け取れる保険です。
掛け捨てとなる可能性の高い保険で、生存保険金がなく、解約返戻金も少ないことが一般的です。
しかし、法人向けの場合、保険期間を長くすることで解約返戻率を高めている商品もあります。
養老保険
養老保険は、死亡保険と同額の生存保険が設定されている特徴を持ちます。
定期保険は、解約することで返戻金を受け取れますが、養老保険は解約することなくお金を受け取ることができます。
傷病保険
傷病保険は、ガンなどの重大な病気にかかった場合に備えるための保険です。
被保険者を経営者にしたり、従業員の福利厚生の1つとして、被保険者を従業員にするなどの利用方法があります。
終身保険
終身保険は、被保険者が亡くなるまで保障が続く保険です。
必ず死亡保険金がもらえるため、資産の意味合いが強くなります。
損害保険
損害保険は、火災などによる損害を補償する火災保険や、顧客に損害を負わせた場合に備える賠償保険などがあります。
「法人保険」のメリット・デメリット
「法人保険」に加入するメリットはいくつかありますが、中でも大きなものが保険料を経費として計上できることです。
企業がリスクに備える一つの方法として、内部留保があります。これはもしもの場合に備えて資金をためておくことですが、内部留保する資金は、納税後の手元に残ったお金で行うことになります。
一方、「法人保険」は納税前のお金を用い、一部を経費として計上することが可能です。ですので、現金を手元に残してリスクに備える場合より、資金を効率よく活用できると言えます。
ですが、保険に加入すると保険料が発生し、場合によってはキャッシュフローが悪化する場合があります。
資金繰りには十分に注意を払いながら、保険に加入するようにしましょう。
また、保険料の損金計上ルールが数年前に変更されています。
これまでと違い、返戻率が50%を超える保険は保険料の全額を損金として計上することができなくなりました。
法人の節税効果が薄れている部分もありますので、保険の契約前にきちんと確認するようにしましょう。
まとめ
- 「法人保険」とは契約者が法人となっている保険
- 保険の仕組みは一般的な保険と同じ
- 保険料を損金として計上でき、節税につなげられる
- #法人保険
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