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消費税の仕入税額控除とその計算方法について

仕入税額控除とは

仕入税額控除とは、納付する消費税額の算出を行う際に、売上の消費税額から仕入の消費税額を差し引いて計算する制度のことを指します。

消費税は消費者が負担し、事業者が納税する税金です。商品によっては、消費者の手に渡る前に原材料の作成や加工などの段階で取引が発生することがあります。

消費者に販売する前にも消費税を含んだ取引が行われるため、その段階での消費税をきちんと計算しなければ正確な消費税の納税額を把握することができません。

消費税の二重課税を防ぐための制度が仕入税額控除なのです。

仕入税額控除の仕組み

仕入税額控除の仕組みについて具体的に確認していきましょう。

ある商品が、原材料を作る工場A、それを加工する工場B、販売店であるCを経て消費者に販売されるとします。消費税はすべて10%とします。

まず、工場Aは工場Bに対して、原材料を1,000円で販売しました。この際、販売額の1,000円の10%にあたる100円の消費税が発生します。この100円は、Aに納税する義務があります。

続いて、工場Bが加工した商品を販売店Cに1,300円で販売しました。この際には、1,300円の10%である130円の消費税が発生します。しかし、Bは原材料を購入する際に100円の消費税を支払っているので、発生した130円から100円を引いた30円がBが納税する消費税額となります。

最後に販売店Cは、商品を1,500円で消費者に販売しました。この際、150円の消費税が発生します。販売店Cは工場Bから商品を購入する際にすでに130円の消費税を支払っているので、Cが納税する消費税額は150円から130円を引いた20円ということになります。

販売額(税抜)消費税額納税額
工場A1,000円100円100円
工場B1,300円130円30円
販売店C1,500円150円20円

このように、消費者が支払う消費税をA、B、Cがそれぞれ分担して支払い、自社が生み出した付加価値に対する消費税を納める仕組みとなっています。

仕入税額控除の対象

仕入税額控除は、すべての仕入が対象となるわけではありません。課税期間中の課税仕入が対象となります。

課税仕入の対象となる取引には以下のものがあります。

  1. 商品などの棚卸資産の購入
  2. 原材料費等の購入
  3. 機械や建物等のほか、車両や器具備品等の事業用資産の購入または賃借
  4. 広告宣伝費、厚生費、接待交際費、通信費、水道光熱費などの支払
  5. 事務用品、消耗品、新聞図書などの購入
  6. 修繕費
  7. 外注費

すべての仕入が課税仕入の対象となるわけではありません。十分に注意しましょう。

仕入税額控除の計算方法

仕入税額控除の計算方法には以下の3通りが存在します。

  1. 全額控除
  2. 個別対応方式
  3. 一括比例配分方式

それぞれ確認していきましょう。

全額控除

全額控除は、課税期間中のすべての仕入税額を控除する方法です。

  • その課税期間の課税売上が5億円以下
  • 課税売上割合が95%以上

上記の2つの条件を満たしている場合、全額控除で計算することができます。

なお、課税売上割合は以下の計算方法で算出します。

課税売上高(税抜)÷{課税売上高(税抜)+非課税売上高}=課税売上割合

個別対応方式

個別対応方式は、課税売上に対応する仕入れ、非課税売上に対応する仕入れ、課税売上と非課税売上に共通する仕入れのそれぞれを区分して計算する方法です。

この場合、以下のような計算方法になります。

課税売上対応仕入の消費税額+共通対応仕入の消費税額×課税売上割合=仕入税額控除額

具体的に計算してみましょう。

課税対応仕入にかかる消費税が10,000円、共通対応仕入にかかる消費税額が5,000円、課税売上割合が90%の場合、

10,000円+5,000円×90%=14,500円

この14,500円が仕入税額控除の金額となります。

一括比例配分方式

一括比例配分方式は、課税期間中のすべての仕入の内容を区分せず、課税仕入の全額に課税売上割合をかけて計算する方法です。

個別対応方式と一括比例配分方式のどちらも選択できるような状況では、有利に働く方を選ぶことができますが、一括比例配分方式を選んだ場合、2年間は個別対応方式を選択できなくなりますので注意しましょう。

計算方法は以下の通りです。

課税対応仕入の消費税額×課税売上割合=仕入税額控除額

簡易課税制度

先に紹介した計算方法で納付税額が決まります。

ですが、課税期間の前々年または前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下で簡易課税制度の仕組みの適用を受ける旨の届け出を事前に提出していた場合には、消費税額を計算する必要のない簡易課税制度の適用を受けられます。

この場合、業種ごとに一定の割合のみなし仕入率を適用し、仕入税額控除の計算を行います。

詳しくは国税庁のホームページでご確認ください。

まとめ

  • 消費税の二重課税を防ぐために仕入税額控除という仕組みがある
  • 3通りの計算方法が存在する
  • 条件に当てはまる場合には簡易課税制度を利用することもできる
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