事業者の義務!消費税総額表示義務について

総額表示義務とは
総額表示義務とは、消費税課税事業者に義務付けられた、消費税を含んだ総支払額をひと目で分かるように表示しなければいけない義務のことです。
表示方法の種類
総額表示義務は、税込価格と税抜価格が混在することで消費者が支払うべき価格がわかりにくくならないように導入された制度です。
総額表示義務は、すべての消費税課税事業者に対して義務付けられています。
国税庁のホームページによると、以下のような表示方法が総額表示に該当するとされています(消費税10%の場合)。
- 11,000円
- 11,000円(税込)
- 11,000円(税抜価格10,000円)
- 11,000円(うち消費税額等1,000円)
- 11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)
上記のような表記方法の場合、総額表示として認められます。
また、総額表示をしなければならない商品としては、以下のようなものが該当します。
- 値札、陳列棚、店内の価格表示
- 新聞、雑誌、カタログなどの価格表示
- 商品パッケージに対して印字する価格表示
- テレビ、ホームページなどの価格表示
- その他、消費税に対して行う小売段階の価格表示
これらの商品の価格を掲示する場合、総額表示を行わねばなりません。
総額表示義務の特例
すべての消費税事業者に課せられる総額表示義務ですが、段階的な消費税の増税に配慮して特例が定められています。
平成25年(2013年)10月1日から令和3年(2021年)3月31日までの間は、「消費税転嫁対策特別措置法」により、総額表示をしなくてもよいとされています。
この特例は、消費税の段階的な引き上げにともない、短期間で何度も表示価格の変更を行わなければならないことで発生する事業者側のコストに配慮したものです。
ただし、この特例を適用されるには、税込価格として誤認されない措置として表示価格が税抜価格であることを明記し、消費者が商品を選択する際にわかりやすく確認できなければなりません。
税抜きで表記する場合には、以下のように表記する必要があります。
- 10,000円(税抜)
- 10,000円(税抜価格)
- 10,000円(本体)
- 10,000円(本体価格)
- 10,000円+税
- 10,000円+消費税
- 10,000円(税別)
- 10,000円(税別価格)
上記のような表記を行い、税抜価格で表示されていることが消費者に明確に伝わる表記を行いましょう。
また、個々の値札で税抜価格であることを表示するのが困難な場合は、一括で全ての商品が税抜価格であることを提示する方法が認められています。
もちろん、この場合においても、消費者にわかりやすく表示する必要があります。
レジや店内、ホームページなどの目立つ場所に税抜価格であることを表示しましょう。
ホームページなどの場合は、ページを遷移することで確認できる形は許されていませんので注意しましょう。
まとめ
- 消費税総額表示は消費税課税事業者に定められた義務
- 令和3年3月31日までは、税抜表示の特例が認められている
- 特例を適用するには、明確に税抜価格であることを表記しなければならない
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