日本版LLC、合同会社のメリットについて
合同会社とは
合同会社とは、アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルにした会社形態です。2006年5月1日の会社法改正により導入されました。
アメリカでは非常に普及している形態であり、日本でも2019年に設立された法人の約1/4が合同会社となっています。大手企業が合同会社となっているケースもあり、年々日本でも浸透していっています。
参考:e-Stat 「登記統計 商業・法人 年次 2019年」
合同会社のメリット
合同会社のメリットとしては、以下のものがあげられます。
- 設立費用・運営費用が安い
- 経営の自由度が高い
- 有限責任である
設立費用・運営費用が安い
合同会社では、設立の際に以下のものを支払う必要があります。
- 定款用収入印紙代:40,000円
- 登録免許税:60,000円または資本金額×0.7%のうち高いほう
上記の金額を支払うことで、合同会社を設立することができます。
この設立費用ですが、株式会社の設立費用と比較すると非常に安くなっています。
株式会社を設立する場合には、以下の金額を支払わなければなりません。
- 定款用収入印紙代:40,000円
- 定款の謄本手数料:約2,000円(250円 / 1ページ)
- 定款の認証料:50,000円
- 登録免許税:150,000円または資本金額×0.7%のうち高いほう
合同会社では、最低約10万円で会社を設立できますが、株式会社の場合には最低でも約25万円が必要となります。
また、合同会社の場合には、決算公告義務がないため官報掲載費の60,000円が不要であったり、役員任期が終了する度に発生する費用が不要であったりと、運用費用も抑えることができます。
経営の自由度が高い
合同会社では、出資比率に関係なく利益配分が可能です。そのため、会社に貢献した人に多く利益を配分するなどの柔軟性のある経営が可能となります。
株式会社の場合、出資比率に応じた利益配分となることと比較すると、合同会社では経営の自由度が高いと言えます。
有限責任である
合同会社は、株式会社と同様の間接有限責任です。そのため、会社に負債がある場合などでも、出資者は出資額以上の責任を負う必要がありません。
無限責任である合名会社や合資会社と異なり、リスクを抑えて会社に関わることが可能です。
まとめ
- 合同会社はアメリカのLLCをモデルにした会社形態
- 設立や運営費用が安いといったメリットがある
- 有限責任であることも大きな特徴の一つ
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