勤労学生控除の基本と注意点について
勤労学生控除とは
勤労学生控除とは、働く学生のために用意されている所得控除で、アルバイトの収入が130万円以下であれば所得税を納めなくて良くなる制度です。
一定の条件を満たすことで、27万円分の控除を受けることができます。
勤労学生控除を受けるには
勤労学生控除を受けるには以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 特定の学校の学生、生徒であること
- 給与所得などの勤労による所得があること
- 合計所得金額が75万円以下で、勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること
特定の学校の学生、生徒であること
勤労学生控除を受けるためには、特定の学校に通っている学生でなければなりません。
特定の学校は、国税庁のホームページで以下のように定められています。
イ 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など
No.1175 勤労学生控除(国税庁ホームページ)
ロ 国、地方公共団体、私立学校法の第3条に規定する学校法人、同法第64条第4項に規定する法人、これらに準ずる一定の者により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程を履修させるもの
ハ 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの
専修学校や職業訓練校に通っている方も勤労学生控除の対象となります。
対象に当てはまるかどうか不明な場合には、学校の窓口で確認するとよいでしょう。
給与所得などの勤労による所得があること
給与所得とは、働いて得た給与から給与所得控除などの非課税対象を引いたものを指します。
合計所得金額が75万円以下で、勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること
合計所得金額とは、給与所得から給与所得控除額である55万円を差し引いた金額です。ですので、合計所得金額が75万円以下とは、給与所得が130万円以下ということになります。
またアルバイトなどの給与所得以外に成果報酬や不動産収入などがある場合には、それらの収入が10万円以下である必要もあります。成果報酬などの金額は、経費を差し引いた金額で計算します。
勤労学生控除の注意点
勤労学生控除を活用すると、所得に対する控除額が増えるため、学生本人の節税にはつながります。
しかし、勤労学生控除を受けると親などの扶養家族の対象から外れてしまいます。そのため、扶養者の納税額が増加します。
多くの場合、勤労学生控除を受けるために親の扶養家族を外れると、トータルでは納税額が増加します。
ですので、家族との兼ね合いも考え、勤労学生控除を利用するか否かを慎重に判断すると良いでしょう。
まとめ
- 勤労学生控除は、働く学生のために用意されている所得控除
- 条件に該当すると27万円の所得控除を受けられる
- 家族の納税額が増えることもあるので、利用する際には慎重に検討する
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