テレワーク等の設備投資に活用できる中小企業強化税制について
新型コロナウイルスの影響で、テレワークを導入する企業が増えています。
個人事業主の方などはテレワークへの移行がスムーズかつ低予算で行うことができますが、中小企業の場合は、テレワークに必要な環境を整えるために大きな予算が必要となってくるケースがほとんどではないかと思います。
そんな中小企業のテレワークの設備投資のために、「中小企業経営強化税制」にテレワーク等のための中小企業の設備投資税制が設立されました。
中小企業経営強化税制とは
中小企業経営強化税制は、中小企業経営強化法の認定を受けた中小企業が、経営力強化計画に基づいて設備を取得した場合に、即時償却または取得価格の7%(資本金3,000万円以下の法人は10%)の税額控除のいずれかを選択することの出来る制度です。
今回、新たに追加されたデジタル化設備の類型を含めて、3つの類型が用意されています。
生産性向上設備
生産性が旧モデルと比べて、年平均1%以上向上することが要件となります。
対象設備は以下のものです。
- 機械装置
- 測定工具及び検査工具
- 器具備品
- 建物附属設備
- ソフトウェア
収益力強化設備
投資収益率が年平均5%以上の投資計画に関わる設備であることが要件となります。
対象設備は以下のものです。
- 機械装置
- 工具
- 器具備品
- 建物附属設備
- ソフトウェア
デジタル化設備
今回新たに追加されたものが、デジタル化設備です。
遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかを可能にする設備であることが要件となります。
対象設備は以下のものです。
- 機械装置
- 工具
- 器具備品
- 建物附属設備
- ソフトウェア
申請の流れ
中小企業経営強化税制のデジタル化設備で申請を行う場合、まずは経営力強化計画の認定を受ける必要があります。
その上で、申請を進めていきます。
申請は、以下の6つの手順からなります。
- 投資計画の策定
- 計画の事前確認
- 経済産業省による確認
- 経営力向上計画の申請
- 設備を取得
- 税制優遇の適用
これらの6つの流れの後に、税制優遇が適用されます。
応募する類型によって、認定要件が異なりますので注意しましょう。デジタル化設備の場合は、遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかを行うために不可欠な投資計画が対象です。
節税効果と利用期限
制度を利用した場合、どの程度の節税効果があるのでしょうか。
中小企業は、導入する設備にかかる金額を即時償却か取得価額の10%を法人税から控除するかのどちらかを選ぶことが出来ます。
例えば、300万円の設備を導入した場合、「当期の課税対象となる収益から300万円を控除する」または「取得価額の10%にあたる30万円の法人税を控除する」のいずれかを選ぶことになります。
収益状況などによりどちらを選択すると有利になるのかが変わってきますので、慎重に選択を行うようにしましょう。
この制度の利用期限は、令和3年3月31日までとなっています。今年度中に行う設備投資が対象となっていますので、利用できる場合にはぜひ積極的な活用を検討してみてください。
まとめ
- 中小企業強化税制にテレワーク等に関わる類型ができた
- 対象となる場合、税制面での優遇を受けることが出来る
- 令和3年3月31日までの設備投資が対象
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